隠れアレルギーとは?

Food Allergy (IgE) v.s. Food Sensitivity (IgG/IgA)

一般的に言われているアレルギー、たとえばピーナッツやそばを食べたら呼吸ができなくなるとか、場合によっては命にかかわるといった症状を引き起こすものはIgE (Ig=ImmunoGlobulins / 免疫グロブリン) という種類の抗体の反応によるものです。基本的にアレルギーは、アレルギーの原因となるもの(= 抗原) に対して、体内で作られた抗体が反応することによって引き起こされます。アレルギーの原因となる食物を摂取することでIgE反応が起こると、体内で大量の炎症物質が放出されてしまい、その結果気管が狭まることによる呼吸困難や、皮膚や目、鼻がかゆくなったり、場合によっては命に関わるような急性の症状が起こります。

一方でIgG IgAといった種類の抗体による反応ではこのような急性の症状は起こりません。原因となる食物を食べて2-3日経ってから炎症物質が放出され始め、急性の症状を起こさない代わりに慢性的な炎症を体内に起こします。原因となる食物を特定することが難しいために隠れアレルギーなどといわれます。この隠れアレルギーが厄介なのは、急性の症状を起こさない代わりになんとなく身体がだるい、疲れやすい、慢性的な身体の痛みなど慢性的な身体の不調の原因となり、また一般的に認知されていないために、多くの場合それらの身体の不調が原因不明とされることです。


隠れアレルギーの原因は?

隠れアレルギーの原因となるのは食物に含まれるタンパク質ですが、その中でも最も一般的なアレルゲンは小麦に含まれるグルテン(Gluten) や、乳製品に含まれるカゼイン(Casein) といったタンパク質です。その他にも豆や卵に反応を示す人も多くいます。アメリカでも日本でもグルテンフリーダイエットと書いてある本なども並べられているので、聞いたことがある人もいるかもしれませんが、このダイエットは隠れアレルギーのもっとも一般的な原因となっているグルテンを避けることによって、身体の様々な不調を改善、克服しようというものです。

まだあまり一般的に認知されていないことや、普通のアレルギーと違って分かりやすい症状が出ず、さらに反応が起こるまでに数日の誤差があることなどから、自分が隠れアレルギーを持っていると知らずに、原因となる食物を食べ続けながらなぜ自分の身体の調子が悪いのか分からずにいる人が多く存在しているのが現状です。


隠れアレルギーの有無は腸内環境と密接な関係があります。漏洩腸症候群(Leaky Gut Syndrome) という、おそらく多くの人には聞きなれない症候群があります。漏洩腸症候群は栄養素や細菌などをフィルターし保護することで、本来内部環境を外部から守るたはずの腸の内壁がダメージを受けることによって引き起こされる起こると考えられています。その結果、本来腸から血流に吸収されるはずのない細菌や毒素、不完全に消化されたタンパク質や脂肪が腸から血流に漏洩する可能性がおこるのです。人間の免疫の約70%は腸にあるといわれており、腸に集中している免疫組織はGALT (Gut Associated Lymphoid Tissue) と呼ばれています。本来吸収されるはずのないものが腸から体内に入ることによってこのGALTが免疫反応を起こし様々な問題を引き起こすと考えられています。十分に分解しきれていない食物のタンパク質がダメージを受けた腸の内壁から体内に漏洩することで体内の抗体が反応してしまうことで隠れアレルギーが誘発されてしまうのです。


隠れアレルギーの検査法は?

当院ではMeridian Valley Laboratoryの検査キットを利用して隠れアレルギーの検査を行っています。血液検査によるIgGの抗体の有無を確かめる検査なのですが、一回の血液採取で190種類の食物のアレルギーを検査することができます。FoodSafe Panelをご利用であれば、検査項目は95種類の食物に限られますが、血液採取のためにラボに行くことなく、ご自宅で指をほんの少し傷つけることによって取れる血液のサンプルを利用して検査を行うこともできます。

その検査結果をもとにアレルギー反応が出たものを避けるとともに、腸壁の炎症を抑えたり、修復を促すサプリ、腸内環境を整えるプロバイオティックなどを取ることによって、身体の不調を体内から改善することができます。

また炎症の原因となる食物を避けて腸壁をしばらく休ませて本来の状態に戻すことによって、テストによって特定された食物でも数ヶ月後には食べても身体が炎症を起こさなくなる場合もあります。ただしあまりにも長い間気づかずに隠れアレルギーの元になる食物を摂取し続けていた場合などは、今後原因となる食物は一切口にしない方がいいというケースもあります。

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